箱根・富士屋ホテル「ザ・フジヤ」で朝食を食べた感想・口コミ

「味より伝統」富士屋ホテルの伝統料理はここでしか食べられないけど、いずれも絶品ではない

評価3.5:★★★☆☆
宮の下の富士屋ホテルで、夕食に続いて朝食も食べてみたので感想でも。夕食の記事は下記。
箱根・富士屋ホテル「ザ・フジヤ」でディナーを食べた感想・口コミ

夕食食べたときも思ったことではあるが、良くも悪くも「伝統を守る」のが富士屋ホテルのカラーなので、昔から続く伝統の料理を今でも食べることができるという価値はあるものの、特別においしいものにもこのホテルではなかなか出会えないというのがここの特徴だ。今回も夕食に引き続き、メインダイニングの「ザ・フジヤ」での朝食。

朝のザ・フジヤの様子。富士屋ホテルはところどころに赤じゅうたんがひかれ、格式ある雰囲気。


朝食のメニュー。種類はいくつかあるが、総じて3000円以上すると考えてよいかと。スクランブルエッグやオムレツなどが食べられるアメリカンブレックファーストが(2500円+サービス料10%)に消費税、パンケーキやフレンチトーストが食べられるケーキブレックファーストも(2500円+サービス料10%)に消費税、一番高いのが特製ジュースや特製オムレツなどが選べるフジヤブレックファーストで(3500円+サービス料10%)に消費税で4000円を超える。朝食付きの宿泊プランを選んだ人も、1000円ちょっとプラスすればフジヤブレックファーストにすることはできる。せっかくなのでフジヤブレックファーストを選択。


まずはジュースから。フジヤ特製玉子入りオレンジジュースを選択。さらにオートミール、コーンフレークからいずれか一品を選ぶので、食べたことのないオートミールを選択。玉子入りオレンジジュースは、見たとおり白味がかったオレンジジュースで、味は気持ちまろやかになっているが、まぁ普通のオレンジジュースだよ。オートミールは画像の通りで牛乳入れながら食べると説明を受けたんだけど・・味がない・・。ちょっと塩だの砂糖だの入れたくらいじゃ味なんかつかないんだよ。調べたらオーツ麦のおかゆとのことなんだけど、どんなに擁護しても、おいしくはない。ちなみにwikipediaによると昭和天皇の洋食タイプの朝食ではいつもオートミールが出ていたらしい。おいしさ云々というよりは、昔からの伝統の朝食ということなんだろう。


続いてパンと、メインの食事はポーチドエッグやソーセージ、オムレツなどから一つを選択するのだが、私は蟹オムレツクリームソースを選択。これもねぇ、クリームに蟹がたくさん入っているのはわかるんだけど、めちゃくちゃおいしいというわけではない。あくまで伝統の食事よ。なんかフィンガーボールが出てきた。パンで手が汚れるからかな。


朝食ではメインのあとにサラダが登場。


最後はコーヒーで締め。紅茶やミルクを選択することもできる。


ということで、夕食に引き続き、朝食も食べてみたが、一番高いものを選んでも、オートミールをメニューに用意しているところからして、「おいしさの追求」よりも「伝統の保持」を富士屋ホテルは一番大事にしているのではないかというのが改めて感じた印象だ。繰り返し書くが、富士屋ホテルはこれでよいと私は思う。ホテルの設備も富士屋ホテルより利便性の高いところはいくらでもある、というかここより利便性の高いホテルのほうが多いと思うが、富士屋ホテルの価値は明治から続く歴史と伝統にあるわけだから、これでよいのだ。ただ、過去の伝統料理よりも今の料理のほうがおいしいというのは、ここで食事をするとよくわかってしまうと思う。

最後に場所。箱根湯本から強羅に向かってケーブルカーに乗り、宮ノ下で降りればどう行っても着くかと。



箱根・富士屋ホテル「ザ・フジヤ」でディナーを食べた感想・口コミ

「味より伝統」箱根を代表するホテルのメインダイニングだが、どれだけ高いものを食べても基本的にメニューは保守的で、驚きのおいしさには出会えない

評価3.5:★★★☆☆
箱根宮ノ下にある富士屋ホテルといえば、箱根を代表するホテルだ。明治創業で外国人を対象としたリゾートホテルということで、ホテルの施設なども当時の最高級レベルの施設を今に受け継いでおり、非常に文化的価値の高い魅力的なホテルだと思う。

箱根を堪能し尽くすなら、一日はここに泊まりたいと思って泊まったし、和洋含め、ほとんどのダイニングでも食事をした。その結果として感想を言うと、富士屋ホテルは良くも悪くも「伝統を守る」というのがここのカラーなんだなということだ。

何が言いたいかというとね、単純に施設の快適さだったり、味の良さだったりという点で評価すると、今のホテルの施設やレストランには敵わないんだよ。だって明治時代の最高級だもの。これは一度泊まってみれば実感をするはず。でも、当時の伝統を守るというのはこのホテルの一番価値ある個性だと思うし、それはそれでよいと思う。

ということで、ホテルの施設に関しては別の機会に書こうと思うので、今回はメインダイニングのザ・フジヤでの食事の様子を記載しようかと。


ホテルの外観と内装。


メニューはこの通り、セゾン11550円、富士屋浪漫14000円、シェフスペシャルディナー18000円の3種類。ちなみに人はメニューを3つ提示されると真ん中のものを選ぶ傾向にあり、ホテル側もおそらくそれを計算に入れているだろうから、一番人気は富士屋浪漫になるかと。私も富士屋浪漫を選択。メニュー表もかなり手の込んだ作りになっている。


アミューズと前菜の人参とオマール海老のテリーヌベビーリーフのサラダを添えて。アミューズというのは前菜のさらに前に出てくるちょっとした品。


松茸入りのコンソメスープ。味は普通。というか、前菜のオマール海老にしても、このスープの松茸にしても高い素材を使っているのはわかるけど、予想外においしいというのはなくて、こんなものかというのが率直な感想だ。


金目鯛のポワレ トリュフのエキュームとパン。トリュフを使っていても特別においしいという印象は残らなかったな。


メインディッシュの牛フィレ肉のステーキ 栗のバターソースと赤ワインソース。手前左にあるのが栗のバターソースだったと思うけど、甘みはあるものの、これが肉にものすごく合うかというと、やっぱりものすごく美味しいとは思わなかった。


洋梨のコンポートとシャーベットに紅茶、コーヒー。


ということで、結婚式で出てくるような正統派フルコースではあるんだけど、特別おいしいと思った品はひとつもなかった。なんていうのかな、一言で言うと美味しんぼの料理対決で出てきたら負けるタイプの料理。トリュフやら松茸やら高い素材を使ってはいるものの、どこか保守的な感じで、攻めの姿勢を持って工夫を凝らしている人気レストランの料理には勝てないなという感じ。

この感想は、このディナーだけで判断したものではなくて、朝食も昼食も、ひと通り「ザ・フジヤ」以外のダイニングでもひと通り食べた上でも改めてそう思った。だから、よくも悪くも「伝統を守る」という保守的なところがこのホテルのカラーなんじゃないかなと思う。


ということで、結論としては、よくも悪くも富士屋ホテルの料理は保守的なので、美味しい料理を貪欲に追求したいとかなら、他のとこ、例えばオーベルジュ・オー・ミラドーとか、もうちょっと手頃なところならLYS(リス)とかで食べたほうが満足はできると思う。でも当時の外国人向けのホテルのもてなしなり料理なりを今に伝えるという意味では、それはそれで価値のあることなので、富士屋ホテルのスタンスはこれでいいんじゃないかとも思う。

場所は宮の下にある。箱根湯本から強羅に向かってケーブルカーに乗っていけばよい。宮の下に着けば、一番の見所はこの富士屋ホテルなので、どう歩いても勝手に着くかと。

箱根・ポーラ美術館「アレイ」でランチを食べた感想・口コミ

ランチは基本2000円台だが、値段なりのクオリティはあり、かなり力を入れているのがわかる

評価4.0:★★★★☆
ポーラ美術館は箱根の中では本格派の美術館なんじゃないかな?箱根の美術館は、星の王子さまミュージアムにしても、ガラスの森美術館にしても、美術館全体である時代のある土地の雰囲気を表現するみたいな、テーマパーク的な感じのところが多いんだけど、ここはポーラ化粧品の創業者であり大富豪の鈴木常司氏の美術品コレクションを展示しているので、モネだったりルノワールだったりピカソだったりと、いわゆる巨匠の美術品が多く飾られているという点で、箱根で一番美術館らしい美術館といえるかもしれない。

場所は美術館が密集している芦ノ湖の北東、仙石原にあるのだけど、ここは他の美術館とちょっと離れたところにあるので、バスか車で行くのがよいと思う。私は歩いて行ったけど。

さて、そのポーラ美術館の中にあるレストランがこの「array(アレイ)」だ。メニューは2000円台のものが多いので、それなりにはするのだけど、値段なりのクオリティはあると思うので、ここでランチを食べるという選択は全然ありだと思う。


では外観から。白を基調とした開放感のあるデザインで、テラス席もある。ちなみに人がいないように見えるのは、私が平日の、さらにランチ時間をかなり外して行っているため。あえてね。


メニューはこんな感じ。基本的には2000円台のものが多い。単品だと1000円台後半のものもあるが。ひと通り見てみて、どれもクオリティが高そうで、かなり力を入れているのがわかる。コースメニューは企画展に連動したものを用意している。私は2730円の企画展コースメニューを選択。


オードブル「鱒(マス)のタルタル」とローズカクテル。

パン。

メインディッシュの「仔羊のロティ」。英語で言うとロースト、つまり炙り焼きだ。

デザートのヨーグルトアイスとハーブティー。


ということで、いわゆる食堂レベルの品ではなく、ちゃんとしたシェフがいるレストランであることはわかるかと。


最後に場所。美術館の密集する仙石原にあるのだが、正直ちょっとだけ不便なところにある。箱根施設めぐりバスの「ポーラ美術館前」で下車をするのが一番よいかと。主要道路沿いにないので車や徒歩だとちょっとわかりにくい。完全に山の中にある。公式サイトはこちら。
http://www.polamuseum.or.jp/shop/restaurant/